愛詩-アイウタ-

「光璃らしい~」


 ゆみは茶化すように言う。


「ひぃのモットーは“無理せず楽しむ”と“笑って過ごす”だからね!ひぃは永遠に笑うよ」


 笑いがて周りに伝染したら、最高だし。


光璃はニカッと笑う。


「いぃんじゃない?それ」


うんうんとみんな頷く。同感らしい。


「ありがとう~」


照れながら礼を言う。【謝罪と礼を忘れるべからず!】…家訓だ。


今がそれにあてはまるのかは知らないがとりあえず言っとけみたいなものかもしれない。


サァッ…


風が吹く。光璃の髪が後ろになびいた。美夜は顔面にふりかかり一生懸命直している。


ほんの少しの余韻を残して風は去った。光璃はただ、愛しそうに立っていた。