愛詩-アイウタ-



 家に着く。これといってくつろげるわけではないけど、自分の居場所だ。


「ただいまぁ~」


「おかえりっ」



 両親は共働きで帰るのは遅い。それでも夕飯の支度はちゃんとしてくれるし、何より弟妹が迎えてくれるからさみしくなんてなかった。


「「ひぃ姉おかえり~っ」」


「海~っ!空~っ!ただいま!!」


 双子の弟妹海と空。海はやんちゃだけどかわいい。空はおとぼけでかわいい。


 結局かわいいんだけどっ!



「危ないことしてない~??」


「海はしてたよっ!階段の4つ目からジャンプ!!」


「海ぃ…危ないことはダメだからね!」


「わかってるよ~危なくなかったもん」



 5才なのに頭がいい。みんなは保育園に迎えが来るのに、海と空は自分たちで帰って来れる。



 光璃は幼稚園だった。保育園と違って帰るのが早くて、家に着くと友達と遊んでた。



 保育園は敷地内で遊ぶ。



 さみしくない?って聞いた時もあったけど、言い出すと止まらないのを海と空は知っているから、何も言わなかった。


 そんな時はその質問をしたことに後悔した。