崩れ落ちたあたしを、カレは軽々と抱き上げて、ベッドへ連れて行った。
音は聞こえなくて、耳に入ってくるのは、自分の心臓の鼓動と、目の前にいるカレの息づかい。
肌に触れてくる手は大きくて暖かくて、なぜか安心できた。
指先が、滑るように上から下へ向かっていく。
おへその下へくだり、あたしはびっくりした。
「……ぁっ」
声が跳ねた。
その声が面白かったのか、指先がしつように動いて、あたしは動く度に、恥ずかしい声を何度も何度も上げてしまった。
「い…や、ダメ……」
かすれる声。
下肢に与えられる刺激に、あたしの頭がしびれる。
「やだ…?」
ひたいにキスを落とし、カレは耳元に鼻をすりよせ、小さく聞いた。
冷たい鼻先にびっくりして、あたしは身震いする。
重なる肌、重なるくちびる。
まじりあう吐息。
やだと口にしたけど、この場から逃げよう、抵抗しようとも思わなかった。
どうしてかな………?
恥ずかしいコトされてるのに。
震えながら、ぎゅっと目をつむると、また、耳元にくちびるが触れた。

