言葉を失った。



どんな言葉も、きっと意味を持たない。



目を閉じて、唇をぎゅっと噛みしめた。



「遥……」

 唯の遥を呼ぶ声がして、目を見開いた。



遥の悲しそうに走り出す横顔が、目に飛び込んでくる。



「早く!愛追いかけてっ!!

愛じゃなくちゃイミないから」

 唯は遥の走ってく背中を指して言った。



「愛行ってこい!!

俺と唯も、手分けすっから!」

 カトゥも叫んだ。