「はいはい」

 ヘアカタを眺めながら、カトゥの会話を受け流した。



興味がないわけじゃない……。



けど今は、見たくない。


「見てみてぇな〜!
実物!!

てか、愛は見たことあんの?」

 エロ本に釘付けになってるくせに、肘でつっついてくる。



「あぁ…まぁ」



「えっ?
エェ〜っ!!!

ちょっ(ちょっとの意味)ちょっちょっ!!!!

たんま!!

そんな話聞いてないから!!」

 薄口醤油顔の、切れ長の目が必死に見開いて驚いてる。



「言ってないし…」

 俺はヘアカタに視線を落とす。