莉紗さんの部屋へ入ると、お酒の缶やらビンが転がってる。



「このワイン〜
美味しくて高いみたい〜〜〜★
一緒に飲もう〜♪」

いつもとは違う、妙なテンションの莉紗さんに恐怖を感じる。



グラスを俺に差し出す。



真っ赤なワインが揺らいでる。



「ゴホッ…いや、今日はいいです」

咳をしながら、きっぱりと断った。



「何〜遠慮してるの〜?」

ソファーから立ち上がり、笑みを浮かべた莉紗さんが俺の肩に手をかけてきた。


俺はそれをそっと振り払う。



―酒にだけは呑まれちゃダメだ―