「……助かっちゃったんだろ……」

包帯の巻かれた腕に莉紗さんは視線を移して言った。



その言葉が俺の胸を突き刺す。



―莉紗さんの側にいなくちゃ…やっぱダメなんだ。



遥への想いだけじゃ…愛してる…それだけじゃダメなんだ。


それだけじゃ、どうにもならないんだ。