―しばらくして、遥の体が俺から離れようとしてるのを感じた。



我に返ったように、俺は力を抜いた。



こんな俺を遥がずっと好きでいるなんてない…


好きでいるはずもないんだ。



遥のこんな悲しそうな顔…させちゃいけない。



俺はいなくなるべきなんだ―。



遥が震える腕で離れた体を引き寄せた。



ドクンッ―



俺は驚いた。



それから遥は背伸びをして、俺の口元にある傷にキスしてきた。



遥のキスは俺の頬の殴られて消えつつある傷にも…降り続いた。



そして、二人の唇を重ねた。



夕日だけが、俺達を優しく包み込んでる気がした。