「わかった」

 今にも消え入りそうな莉紗さんの声。



「愛に謝らなきゃいけないの……ほんとは私の方なんだよね。

あの日無理やり……」

 莉紗さんの声が途切れた。



アタシは顔をそっと上げた。



ヒラヒラと莉紗さんのフリルのスカートだけが風で揺れてる。



「ごめんね…ほんとごめん。

もう、しつこく連絡もしないし、こうやって会いにも来ないから」

 莉紗さんの言葉に、アタシは何も言えなかった。



何も……。



情けねぇ……。



被害者だとばっか思ってたけど、莉紗さんを傷つけたんだよね……アタシは。



ただ莉紗さんの後ろ姿を見送るしかなかった。



 アタシは心配して待ってくれてた遥達と帰れなくて…とても無理…。



浮かれてる文化祭気分の奴らとすれ違いながら、一人先に帰った。



どんな言葉で、誰に話したらいい?



誰に相談したらいい……



誰か……。