季節は、春。
窓から入る風はふわっとして、柔らかい。

桜の花びらが春を感じさせ、
空は雲がゆっくりと流れている。


「えぇーっ?なに?」


リビングしたお母さんの声が耳に届き、あたしはあからさまに嫌な顔をする。


「いいから、ちょっと来てちょうだい!」


声が少しだけ焦り始めるから、あたしは「はぁー…。」と大きく溜息をついて部屋を出た。