【短編】Christmas Present

「もう、いいや。」


「何が?」



少し不安そうに、拓都が私を振りかえった。



私はふーっと息を吐く。



「拓都と縁切れても。」


「は!?
お前何言い出すわけ!?」



拓都が怒って私に掴みかかり、ベッドが軋む。



「なぁ、お前、今なんてった!?
縁切るってどういう意味だよ!?」



そんな怒るんなら、私を傷つけないで。



もう、言うって決めた。



私の気持ち、言ってやる。



そんで、最高に悩め。



幼馴染失っちゃえ。



クリスマスに苦い思い出残してやるからな。



時々私は自分でも驚くくらい、嫌な思い切りのいい奴に変身する。



そして今、人生初めての告白を、こういう形でおっぱじめようとしていた。



「別に、切るかは拓都が決めることだよ。
私は勝手に爆弾投下するから。」


「はぁ?」



心底不思議そうに拓都が顔を歪める。



「俺、嗄雪が何言い出すのかわっかんねぇ。」



だろうね。



「あのね、私、拓都のこと好きだよ。」


「そらどうも。
嫌いだったら泣くわ。」



うん、そうくると思った。



そうやって、拓都は私を幼馴染という立場から動かさないように防衛機制働かせてたんだもんね。