【短編】Christmas Present

戻ると、案の定彼女はさっきのまま待っていた。



それを見て、拓都はチッと舌打ち。



…え!?



「なぁ、帰ってって言ったじゃん?」


「あなた、誰?」



聞いちゃいない。



彼女は真っ直ぐ私を見据えた。



「はぁ…。」


「同じ学校よね?
よく見かけるもの。」



それはね。



私が拓都のいそうなとこを通っていたから。



よく覚えてたなこの人。



「拓都の何?
学校で話してる姿みたことないけど、なんでここにいるって知ってんの?」


「偶然です、偶然間違えました。」


「知り合いっぽかったでしょ、誤魔化さないで。」



さすがに無理か。



っていうか、こういう状況が一番嫌いなんですけど。



恋する女は怖い。



私が彼女を人目みて拓都に気があるとわかったように、彼女も私をそういう目で見ていたらしい。



拓都はわかってないだろうね。



ちらっと助けを請う意味で、拓都を見る。



拓都は私達の様子に戸惑いつつも、タオルを投げた。



「こいつは俺の母さんの知り合いの娘。
ちょっと話あるから、帰って。」


「なんで私が帰んなきゃなの?
私は拓都に会いに来たの。」


「こいつも俺に会いに来た。
久し振りなんだ。」



声に少し寂しそうな気配を感じた。



…それは私の思いすごし?