【短編】Christmas Present

「いいか、俺が待てって言ったんだから待て。
ただでさえ今はこの状態なんだ、移動の不便さを考えろ。」


「はいはい。
っていうか、私帰るって言ったのに、勝手に…。」


「黙ってろって言ったんだけど?」



はい。



「なんで帰んの?」


「だって、来客中でしょ。」


「帰しゃ済むだろ。」



さも当然のように言ってのける。



あんたは何を言ってんだ。



「だからさ、せっかく会いにきてくれたんでしょ?
仲いいんだから、私のことは放っとけば?」


「お前な、独自の理論で結論付けるのやめろ、な。
こっちが間違ってんの課疑わしくなる。」


「あんたが間違ってんのよ。」



元気なかったかと思えば、ペラペラとよく喋る。



まぁ、無言よりもいいけど。



「取り敢えず、病室戻るぞ。」


「彼女いるじゃん。
私、変な揉め事はゴメンだよ。」


「だから、彼女じゃない。
ただのクラスメイトだよ馬鹿。」



馬鹿って言うな。



私のほうが賢いわ。



…とか毒づいてみるけど自信はない。



行くぞ、と凄む拓都に負け、私は後に続いた。