【短編】Christmas Present

「そうだね。」



無意識に笑みがこぼれる。



彼が私を拒まなかったことが、自分でも信じられないくらい嬉しかった。



「学校、しばらく行けないねぇ。
ノートとかプリント、持ってきてあげるね。」


「いいよ。
友達が貸してくれるし、届けてくれる。
お前違うクラスだろ。」



…私のを貸すって言った訳じゃないのに。



また線を引かれた。



ここ数年、ずっとこうだ。



違うクラスだろ、とか。



関係ないだろ、とか。



じゃあどうしてさっき、呼び止めたのよ。



私はまた指に目を落とす。



「嗄雪、なんかしゃべれ。」


「は?」


「なんで黙ってんの?
気まずいだろ。」



あんたがそれを言うの?



心底呆れた。



拓都は他人の変化には敏感なのに、私にはなんの反応も示さない。



昔は違ったのに、と恨みがましく拓都を見上げる。



彼は既に私から視線を外していた。



「なぁ、俺が入院したってこと、言いふらすなよ。
友達には自分で言うから。」


「わかってるよ。」