クリス君のオッドアイの瞳は情熱的なきらめきを湛えていた。


 私はクリス君の思いには応えられない。

 
 「……私はダーリンを愛してる」


 「……王子であるボクが…珪さまの代わりになると言っているんだよ!ハニーさん」


 「……王子様でも…人の気持ちを変えることなんて出来ない…人の気持ちは権力
やお金では変えられないのよ…クリス君」


 「……やだっ!?ハニーさん…ボクはボクは…ハニーさんが大好きなんだ!」


 「!!!?」


 クリス君は強引に唇を重ねて来た。



 私の求めている温もりじゃない…。



 私はクリス君を突き放した。


 「…ハニーさん…今日のとこは引く…。少しでもいいからボクの考えて…
明日、答えを聞かせて…」


 クリス君はソファーを立ち上がった。そして、部屋を出て行った。