「……」


 俺はカーテンを開けてパリの夜景を見つめる。

 遠くに見える凱旋門。
 夜は美しくライトアップされていた。


 俺の母親は異国に人。

 窓に映る自分の左目を見つめる。

 緑の瞳。


 俺はその瞳を頑なに隠して…気丈に生きて来た…。