「……」


 まだ…声にして…スキとは言ってなかった。


 「…それは…」


 「記憶を少し戻して…俺を意識してるの」


 「……え、あ…うん。ダーリンって…『モンスター』だって言われていたんだよね…」



 「そんな…余計なもんまで思い出したのか??お前の意識してるって…唯の同情?」


 「それは違う…」


 ダーリンの黒髪が夜風に揺れた。
 開け放たれた扉をダーリンは閉める。


 「……」


 私たちの居るバルコニーは完全に孤立。
 二人だけの閉塞的な空間となった。


 「ダ、ダーリン!!?」