俺はとっても嬉しかった。ハニーが僅かでも…俺との想い出を思い出してくれた。

 
 「……」


 俺はハニーの白い頬に手を掛ける。



 濠が急に無粋な咳払いを立てた。



 「珪さま」



 病室に入ったはずの…権蔵叔父様が再び、現れた。俺たちの密着ぶりに眉を
寄せて困惑気味。


 俺はハニーを離した。


 「どうしたんですか?」



 「会長様が意識を戻されています…珪さまの選んだ花嫁様に会いたいそうです」



 また余計なことを権蔵叔父様はお婆様に話したようだ。