「千歳(チトセ)…」
甘い声で呼ばれたら、理性なんてちっぽけなものはたちまち消滅。
「……んっ」
俺のキスに反応する姿を見たら、体中に口づけて、めちゃくちゃにしてやりたくなる。
「やっ…」
徐々に乱れていく、綺麗に巻かれた髪も。
胸元がざっくり開いたニットも。
惜しげもなく脚を露出した短いスカートも。
全部、俺じゃない“誰か”のために用意されたもの。
百花にとって、俺は“何でも言うことをきく”都合のいい存在で。
寂しさを紛らわせるための“道具”でしかない。
わかってる。
わかってるんだけど……
「……また、やっちゃったよ。」

