「いい?ちーちゃん。私は、今日も明日もひとりぼっちなの。孤独なの。寂しいの。」
シャンパンを放り出して、コタツをよけて…俺の傍ににじり寄ってくる百花。
その目は据わっていて…はっきり言って、怖い。
「だから、ちーちゃんは私と一緒にクリスマスを過ごさなきゃいけないの。」
わかる?と言うように、俺の瞳を覗き込むと、
「“お姉ちゃん”の命令は“絶対”なんだよ?」
いつものセリフを口にした。
そして……
「傍にいて…くれるよね?」
甘えた声が聞こえて、首に回される細い腕。
引き寄せられると同時に、アルコールの香りと柔らかい感触。
「……慰めて?」
唇を離して、
百花は潤んだ瞳で俺を見上げた。
……ズルイ、よなぁ。
濡れた瞳。赤らむ頬。
グロスは落ちても、艶やかでふっくらした唇。
涙でにじんだマスカラが余計に憂いを帯びて見せる睫毛。
ぐちゃぐちゃに崩れたメイクのはずなのに……
なんで、
こうも、俺の衝動を駆り立てるんだろう?

