「どこ行ってたんだよ!捜したじゃんかよ」
「…ごめん。勉強してた」
「げー…また勉強?頭可笑しいんじゃね?」
柚みたいなこと言わないで。てかほとんど同じ台詞だったよね。
「今日お袋が、夕飯におばさんたち呼ぶらしいから美和も来いだって」
「お母さんたち今日は遅いって…」
「はぁ?それは明日の話しだろ。勉強のし過ぎで狂ってんのか?」
「いたっ…!」
デコピンをされた額を摩って彼を見上げると、フフンと口の角を上げたて笑っていた。
相変わらずだな、祐輔って。
ていうか、どうして自分の家族じゃない私の家族の事情を知っているんだ。
不思議だよね。
「…夜、行くね」
「おぅっ」
―――吉岡祐輔。
私の幼なじみ。もうかれこれ20年は一緒にいるんじゃないかな。
小さい頃の写真を見たときに、必ずと言って良いほど二人で写っていた気がする。
幼稚園も小学校も、中学校も高校も。大学だって一緒の祐輔。
私の大好きな人。

