君に恋を、チョコに愛を。



だからこそ、泣いた。

どう返事を返せばいいのかわからなくて、どうしたらいいのかわからなくて。

止まることを知らない涙は、いつまでも流れ続けた。


だからこそ、謝った。

自分が酷く憎くて、でも、どうしようもなくて。

心の中で何度も何度も祐輔に謝ったの。"ごめんね、ごめんね"って。



今となってはそれが何に対しての"ごめん"だったのかは、わからない。


きっと、いろんな意味の"ごめん"が混ざっていたんだよね。



「美和」

「………」


祐輔に呼ばれてそっちを向くと、真剣な目で真っすぐ見てるから思わず固まった。


…いつもこうだ。


祐輔は不意に私を強く捉らえるから、動けなくなる。

『逃がさないから』


本当に、簡単には逃がしてくれないの。



でも、そんな堅苦しい空気も一瞬であっという間に和やかになった。


「んじゃ!夜待ってるからなっ」


「絶対に来いよっ」と言いながら祐輔は私の髪をくしゃくしゃにした。