だからこそ、泣いた。
どう返事を返せばいいのかわからなくて、どうしたらいいのかわからなくて。
止まることを知らない涙は、いつまでも流れ続けた。
だからこそ、謝った。
自分が酷く憎くて、でも、どうしようもなくて。
心の中で何度も何度も祐輔に謝ったの。"ごめんね、ごめんね"って。
今となってはそれが何に対しての"ごめん"だったのかは、わからない。
きっと、いろんな意味の"ごめん"が混ざっていたんだよね。
「美和」
「………」
祐輔に呼ばれてそっちを向くと、真剣な目で真っすぐ見てるから思わず固まった。
…いつもこうだ。
祐輔は不意に私を強く捉らえるから、動けなくなる。
『逃がさないから』
本当に、簡単には逃がしてくれないの。
でも、そんな堅苦しい空気も一瞬であっという間に和やかになった。
「んじゃ!夜待ってるからなっ」
「絶対に来いよっ」と言いながら祐輔は私の髪をくしゃくしゃにした。

