「翔君と拓海君の事紹介してくれる気になった?」 美里が私に言う。 「ない」 それだけ言い、手を洗う。 「あんたなんて幼馴染みじゃなければ相手にもされないのにね」 そんなの知っている。 「ねぇ、もうやめてくれない?かなり迷惑なの」 私がそう言うと美穂達は馬鹿みたいに笑う。 「じゃあ今日放課後2階の渡り廊下に来てよ」 ――2階の渡り廊下 人があまり来ない場所だ。 行ったら何されるかわからない。 「わかった。行くよ」 私はそれだけ言い美穂達の前を通り過ぎた。