【短編】ダメ男依存症候群


 付き合っている時の絶頂期に、必ずと言えるほど男からそんなことを言われてきたからだ。


『俺たちは絶対別れることなんてないよ』

『俺には奈津美しかいないから』

『俺のことは信じてくれて大丈夫』


 男達は簡単に永遠を約束するような言葉を口にして、そのくせ別れる時はそんなことを忘れたかのように別れの言葉を言う。また、下手したら浮気をする。それが奈津美の今までの経験からの見解だ。

 そして、それを真に受けてしまうと、別れた時に後悔する。別れ方によれば悲しさが倍増する。もしくは、『何であんな男の言うことを信じたのよ!?あたしのバカ!』と、腸が煮え繰り返りそうなほどの苛立ちに見舞われる。(奈津美は比較的後者の方が多い)

 だから、奈津美は、こういう話題になった時は、適当にやり過ごす。


 それに、好き同士付き合っていれば、お互いにそんなことを思うのは、当たり前だと思う。それをわざわざ口に出して確認するようなことは、奈津美は好きじゃない。


 奈津美としては、そんな言葉がなくても、信用できる態度というか、ちゃんとした気持ちが分かれば十分だ。


 ……旬は……そう考えると旬は、口にしてもしなくても、そういうのは伝わる。むしろ、いつでもどこでも、露骨なくらいに態度にも言葉にも……体全体で奈津美に対する気持ちを表している。


 あんな奴と、初めて付き合った。あんなに、バカみたいに素直な男……


 旬は…一度でも、ほんの一瞬でも、何でこんな女と付き合ってるんだろう、とか、思ったことはないんだろうか……

 そんな様子は、奈津美の知る限り一度も見たことがない。奈津美が気づいていないだけなのか、もしくは、本当に一度も思ったことがないのか……


 流石に、今回のことで、少しは思っただろう。