あの、その土方さんとやらを呼びに行く前に、この手足を縛っている紐を解いて欲しかったよ……
暫く待っていると、沖田さんが二人の男の人を連れてやってきた
「桜子ちゃん、こちらが新撰組副長の土方さん。で、こちらが新撰組局長の近藤さん。」
「はじめまして、私、平松桜子と言います。」
改めて、土方さんと近藤さんに自己紹介をする
「俺は、副長の土方歳三だ。お前に、ちょっと聞きたいことがあるんだが。」
「はい?」
「お前、昨日の晩あそこで何してた?」
気のせいかもしれないけど、土方さんの表情が険しくなった気がする
「だから、昨日も言ったようにあそこで野宿をしようと…」
「ですって。やっぱり何度聞いても不憫な話ですねぇ、近藤さん。」
沖田さんは終始笑顔で話してたけど、目は全然笑っていなかった
近藤さんは腕組みしながら何かを考え込んでしまった

