その指は優しく涙を拭ってくれた
「何、狸寝入りしてんだよ。」
土方さんは私の寝たふりに気が付いたみたい
起き上がって、土方さんに謝った
「悪いと思ったなら、始めからするな。」
そういった声はさっきの声ではなくて、無理矢理作った明るい声だった
「土方さんが言ってたこと、全部聞きました。涙が出るくらい嬉しかったです。」
「そうか。」
ぽんと私の頭に手をおいた、土方さんが柔らかく笑った
それにつられて、ぎこちなくだけど私も笑えた気がする
「口、ひきつってるぞ?」
「…。」
「無理して笑うな。」
きっとすごい顔をしていると思う
「泣け。泣きたい時は泣けばいいんだ。」
「う、うわぁぁぁぁん…。」
父様と母様が死んでから、初めてこんなに泣いた
次々に零れ落ちる涙は畳に染みを作った

