嘘…


う、そ…だよね?



「ひ、じかた…さん?」


信じたくなくて、声が震える


「なんだ?」

「嘘…ですよね?」

「一概には言えねえ。まだ確かな情報じゃないからな。」

「嘘だと言ってください!」



こんな大きな声が出るなんて、自分でも信じられなかった


この場にいたくなくて、土方さんの部屋を飛び出した


「おい、桜子!!」



廊下で誰かにぶつかった


でも、そんなのお構いなしに、走った


「桜子ちゃん!待って!」

腕を捕まれて振り向くと、沖田さんが私の隣に立っていた



「沖田さん…」

「どうしたの?そんなに急いで?」



ここは町中?

無我夢中で走りすぎて気づかなかった


沖田さんは巡察の途中?

羽織りきてるし…



そんなことばっかり、冷静に考えられてる自分が不思議



「どうして…、泣いてるの?」

「え?」


自分の頬を触ってみると、知らず知らずのうちに涙が零れていた