しばらくしても名残惜しくて離すことができなかったけれど土方さんの一言で現実に引き戻された



「そろそろ仕事に戻らねぇと…」

「そう…ですね…」



そうは言うものの私たちの手はお互いを離そうとはしなかった



「土方さん、今いいか?入るぞ」



ふすまの外から聞こえてきた声に反応し二人同時に手を離した




そのすぐ後に部屋に入ってきたのは原田さんだった



「ちょっと相談なんだが…」

「何だ?」

「平助が抜けて開いた穴は俺と新八で埋めたい」

「……」

「他のやつじゃなくて、俺と新八でやりたいんだ」




そうか…


平助くんと原田さん、永倉さんは特別仲がよかった



だから原田さんたちがそう思うのも分かるような気がする



けれどきっと土方さんは許してくれないと思う



だってこれは"私情"だから…