そういえばさっきから心ここにあらずのような感じもしている



平助くんのことを気にしているのかな…?


きっと土方さんは私なんかとは比べ物にならないくらい悲しいはずだから



そうは思うものの何と言葉をかけていいかわからず座っている土方さんの大きな背中に抱きついた



「なっ…どうした?」


最初は驚いたようだったけど、その声はとても優しかった



「何でもないです…よ?」

「何でもないでこんなことしないだろ、お前?」

「う…」

「お前が何でもないってんならいいけどよ。まぁありがとな」



何も言わないはずなのに、土方さんは察したみたい



右手で私を抱き締め返して、左手で私の頭をなでてくれた



「温かいな」

「土方さんこそ」



暖かくなり始めたけれどまだ寒い季節



土方さんの温もりが温かくて心地よかった