夕餉の席でも皆さんの間には何処と無く気まずい雰囲気が漂っていた
普段なら喋りすぎて土方さんに怒鳴られている原田さんや永倉さんが一言も発しようとしない
そのせいか食事の席はいつもよりも半刻ほど早くお開きとなった
「桜子、お前もう部屋戻るか?」
「いえ、月がきれいだったので少し見ていこうかと」
すると土方さんも静かに空を見上げた
「本当だな。綺麗だ」
土方さんに向かってこんなこと思うなんて失礼かもしれないけれど…
空に浮かんだ満月よりも月明かりに照らされた土方さんの横顔の方が何倍もきれいに思えた
「ほら?もう平気か?お前に風邪引かれたりしたら困るから」
「はい…」
「もう戻るぞ?」
優しく笑った土方さんに手を引かれて部屋へ戻った

