父様と母様からの文が届いて早三ヶ月

月に一度送られて来る文は必ず届いていた。

しかし、父様たちが囚われの身となって半年
突然連絡が途絶えてしまったのだ


「虎太郎、父様たちからの文は届いてた?」

虎太郎は返事をする代わりに首を横に振った


「やっぱり父さんたちになにかあったんだ。俺…明日家を出るよ。それで、京に向かう。父さんと母さんを取り戻しに行く。」

「ち、ちょっと待ってよ虎太郎。」

虎太郎は私の言葉を無視して部屋に戻ってしまう。


父様、母様どうか無事でいて…


私には祈ることしか出来ない。


……………。

暫く考えた後、私はある決断をした。


部屋のふすま越しに虎太郎に声をかける。

「虎太郎、開けるよ。」

「ああ。」

「虎太郎に大事な話があるの。」

私の雰囲気で何かを感じとってくれたのか虎太郎が正座をする。

「話ってなんだよ。」