忘れたくても忘れられない記憶
気持ちが和らぐことはあっても忘れることなんてできない
「虎太郎…」
久しぶりに呼んだ弟の名前が空に虚しく舞った
「さくら?」
「平助くん…」
「て、おい!その手どうした!?」
「え?」
「血ぃでてる…」
「あ、これは…沖田さ…」
そこまで言ってハッと我に返った
沖田さんに病気の事は秘密にしておいてと言われている
だから私がここですべてを平助くんに話したらきっとばれてしまう…
「ううん…少し切っちゃって…大丈夫だよ?」
「そうか?洗うの手伝うか?」
「一人で平気だよ?それより他に何か用があるんじゃ…」
「おっとやべぇ…俺行かなきゃ」
「うん、心配してくれてありがとう」
お礼を言い終わるとすぐに平助くんは走っていってしまった
平助くんには悪いけどばれなくてよかったと思った

