このままだと気分も滅入ってしまうと思い外に出た
もう春はそこまで来ていると言うのに冷たい風が僕の体を包んだ
僕の目の前には大きな桜の木がある
これは僕たちがここに移ってきたときからある木でこれを見ていると少しだけ前向きになれた
「沖田さん?」
「桜子ちゃん…」
「もう!こんなところで何をしているんですか!?もっと自分を労らないと…」
僕が労咳だと分かったからなのか強い意思がそこにあった
でもまだ少しだけここにいたい
「もう少しだけ、桜を見ていたいんだ」
そう言うと隣の桜子ちゃんも桜の木を見上げた
「まだ少ししか蕾がありませんね…」
「そうだね…」
「早く咲くのを見たいですね」
「僕もこの桜の運命のように散って消えてなくなってしまうのかな…」
桜の木から目を離して桜子ちゃんを見ると今にも泣き出しそうな顔をしていた

