どれくらいそうしていたのか分からないほど俺たちは二人で泣いた



「ん…、敬助さん!!」



倒れて眠っていた明里さんが起きた



「敬助さんは?敬助さんは…!?」

「残念だが、山南さんはもう…」




それは彼女にとってあまりにも辛すぎる宣告だっただろう



「そんな…嘘…」



その姿を見て桜子が俺に耳打ちした



「少し、待ってていただけますか?」

「あぁ?」




そう言って駆け足で部屋を出ていった



まもなく桜子が一つの文らしきものを持ってもどってきた



そしてそれを明里さんに手渡した




「これは…?」

「山南さんがあなたに残された文です」

「敬助さんが…」

「山南さんは最期の時まであなたを想っていましたよ?」

「うぁ、っぅうわぁぁん!」



泣き崩れた明里さんを支えた桜子を見てこいつは強い女だと実感した