あんたを失った悲しみが消えるわけなんてねぇんだ
部屋に戻ると俺が出ていったときと同じ格好で座っていた
「桜子、悪いがこの人を寝かせるのを手伝ってくれ」
「あ、はい…この人は?」
「山南さんの想い人だ…」
「明里…さん?」
「!」
知っていたのか…
山南さんが喋ったんだろうな
「二人は会えたのですか?」
「あぁ…」
「よかった…山南さんは明里さんの事が心残りだって…」
そんなことまで…
こいつには話せたのかもな
傍にいてくれるだけで俺の気持ちを安らかにしてくれるこいつになら
山南さんも少しだけ自分の気持ちをさらけ出すことが出来たのかもしれない
「それでは山南さんは…」
「あぁ…立派な最期だったぞ……」
「そうですか……」
その一言を最後に俺たちは黙々と明里さんを布団に寝かせた

