半ば駆け足で戻った自分の部屋
「桜子!開けるぞ。」
……。
中から返事はない
あいつ本気で逃げたのか?
ガラッと襖を開けると、部屋の真ん中で横になっている桜子
寝てんのかよ…
本気で逃げたのかと思ったぞ…
とにかく、部屋のど真ん中で寝てるこいつを起こして退けるか…
「おい、桜子起きろ!」
「……。」
熟睡って訳か…
「起きろ!桜子!!」
今度は体を揺すってみる
「ん…んー…。うるさいなぁ、土方しゃん…。」
"しゃん"て…
完全に寝ぼけてるじゃねえか
「起きろー。」
「んー…暑い…」
暑くねえよまだ春だ
寝ぼけすぎだぞ、こいつ
暫く観察していると、袴に手をかけはじめた
「暑い…ぬ…ぐ……」
は?
ちょっと待て!!
急いで桜子の手を掴む
すると、桜子と目が合う
目が合う?
起きてんじゃねえか、こいつ

