どれくらい時間がたったのだろう
それすらも分からなかった
「平松さん、そろそろお別れです。君に汚いところは見せたくない」
「嫌、嫌です」
「聞き分けてください…」
「………」
そんなこと言われたらもうなにも言えない
「君の事は忘れません。どうか元気で」
「私も忘れません…」
「ほら立って!振り向いてはいけません。…それでは、さよなら」
「っ!……さよなら!」
勢いよく部屋を飛び出した
山南さんの声が震えてた
私の両目からは止めどなく涙が溢れた
ふと椿の木が見えて立ち止まる
この間まできれいに生き生きと咲いていた花は色がくすみ、花がしおれ地面にポトリと落ちていた
空を見上げる
先ほどまで晴れていた空はこれから迎える山南さんの死を悲しむように雲が広がっていた

