あまりにも桜子がかわいそうだから
「分かった、今回は十往復で勘弁してやるよ。」
「本当ですか!?」
「あぁ。」
最近桜子がいろんな顔を見せるようになったと思う
少し前まではうつ向きがちで遠慮ぶかかったのに
今では俺に文句まで言うように……
「そういえば土方さんてその場所よく座ってますよね?好きなんですか?」
この場所…
ふすまの横か…
「まぁこうしてふすまを開けておくといい風が入ってくるからな。」
「風?」
「毎日同じ風は吹かないからな。」
儚くて頼りなくて
俺たちみたいだな
「俺たちに似てるんだよ。」
「どういうことですか?」
「風が明日どう吹くのか分からないのと同じで、俺たちも明日はどうなるかわからないからな…」
「?」
明日は死ぬかもしれない
俺らの立場じゃそれは保証されない

