すると土方さんが口を開いた
「それは、本当に"野宿"だったんだな。」
「はい。」
なんでこんなに野宿を強調するんだろう?
ちょっと不思議に思いながらも、土方さん達の話に耳を傾ける
「ねぇ、桜子ちゃんはさなんであんなところで野宿しようと思ったの?」
なんで会って間もない人にそんなこと聞かれなきゃいけないのか、とも思ったけど、別に隠すことでもないから素直に理由を口にした
全て話し終えると、近藤さんは何故か目に涙を浮かべながら喋り出した
「そ…そんな理由があったのか。………桜子君。君のお父さんとお母さんが、見つかるまでここにいるといい。」
「本当ですか?!」
「本当かよ?!」
土方さんと私の声が重なる
「お、おい、近藤さん。こいつはまだ長州の間者だって疑いが晴れたわけじゃ…」
「そんなの、ここに住まわせて監視でもしておけば、そんな疑いすぐ晴れるだろう。」
監視って…近藤さん……

