「やっぱ かなわねぇな、先輩には。」

「え…?」




遥が見せたなかで一番なんじゃないかってくらい優しい笑顔だった。

もう、あたしにとって“弟の遥”はいなくなっていた。



目の前で笑うのは…1人の男としての遥。







「…絶対、好きになってもらいますから」










ずきゅん。

あ、やば。
今、なんか矢が刺さった気がする←



勝気な態度。
敬語がつくる微妙な距離感。

全てがあたしを虜にする。







「…覚悟してて?」

「お、おう…」








恐るべし、年下。

ガキで、大人で、あたしを惑わせる。

鳴り止まない胸の音が、何よりも恋の証拠。





2人の唇が重なるのは、もう少しあとのお話。






この熱も、胸の鼓動も、

全部全部…君のせい。





~Fin~