彼女には言えない。






「何言ってんだよ」



竜希はそう言って俺の向かいの席に座った。


正直、ムカつく。


本当は薫と二人で話せて嬉しいくせに、透かしやがって。





俺だったら、沢山のろけて、頭の中好きな人のことばっかになっちまうのに。





恋人ってこう言うもんなのか?



俺付き合ったことないし、
薫のこと好きになるまで恋愛とか興味なかったし、
ヘタレの地味野郎だったから、よくわかんねぇけど。





とにかく、ムカつくんだ。





「今日は、この問題プリント全部終わるまで帰れると思うなよ」



「え!まぢで?昨日より量多くね!?」




竜希の顔が引きつる。
俺はそんな竜希を鼻で笑った。




「志望校合格すんだろ?そしたら、このくらいやれ。それから、これからの勉強計画、まとめといたから家でちゃんとやれよ」






そう言うと、さらに顔が引きつった。




勉強の時だけは、竜希が小さく見える…