彼女には言えない。










それから、薫は竜希の方に向かい何やら楽しそうに話していた。





俺は素知らぬ顔をして机に向かっていたけど、本当は気になって仕方がない。


デートの約束でもしてるのか?なんて考えると二人の中に入れないし、

だからと言って二人の笑い合っている姿を見ると胸が軋む。





少し経つと、薫の声が聞こえた。




「じゃあ、あたし勉強の邪魔になると悪いから帰るねっ!頑張ってっ!秋人、竜希の脳ミソの活性化頼むよ」


「なんだよ、活性化って。適当に日本語並べてんなよ、バーカ」





そう言いながら竜希は俺の方に来る、薫は軽く手を振り帰って行った。




「本当、お前ら仲いいよな。会話がガキだけど…」





本当は…羨ましくて仕方がない。



でも、顔に出さないように、その気持ちは胸の奥底に封印しよう……