まって。

そう呼び止めようとしたけれど、無理だった。


その男の子はすぐに走り去ってしまったのだ。


「なにあのひと。へんなひとね。」

口では文句をいっていたが姫、いやマリアは笑みをこぼしていた。


それもそうだ。


暇な生活に1つ楽しみが加わったのだから。

マリアは明日を楽しみにしながら、庭を去った。