でも違った。 席に座ったとき、ある言葉が耳に届いた。 地獄耳の自分を、少し恨んだ。 「音羽の声 …セイラと似てるよね。」 まさか…とは思った。 ばれないように、こっそり声の主のほうへ顔をむけた。 いつも私の嫌味を言う女子、 由利、という女の子。 彼女は数人連れて「ご飯食べよう?」 とよく言ってくる。 私が断るのを知って、 わ ざ と 誘ってくる。