啓と音信不通になったあたしの生活は、恐ろしかった。
毎日夜遊びで、家にも帰らない。そんな日課だった。

友達の働くBarで出会った龍斗。
18歳で、不良歴も長い。
でも、優しいとこと、優しい笑顔にあたしは惹かれていった。
あたしの悩みを親身になって聞いてくれた。

「俺だったら、お前みたいに可愛い女ぜってぇ泣かせねぇのに」

そう言ってあたしを抱きしめる。
懐かしい、啓に抱きしめられたのもこんなぬくもりだった。

「なぁ。俺と付き合ってくんねぇかな?」

龍斗からの突然の言葉。
あたしは驚きを隠せなかった。

「俺が啓って奴のこと、忘れさせるから」

首を縦に振り、龍斗をきつく抱きしめる。
龍斗は耳元で言った。

「お前を離さない。」

どくん、と胸が鳴る。
それから、龍斗はあたしに優しいキスをした。
甘くて優しくて、でもどこか強引なキス。
あたしの意識を、溶かしていった。

その夜、あたし達はひとつになった。

龍斗が好き。その感情で胸がいっぱいだった。
いつしか『啓』と言う存在が、消えていった。

龍斗は毎日、会ってくれた。
誰もが龍斗と付き合えたことを、祝福してくれた。


龍斗との関係は今まで通り、続くと信じてた。