壇上での挨拶を終えた聖がこちらへやってきた。 「聖、ちょっと!」 「おい。まだ明のご両親に挨拶が……」 「それより!」 両親に挨拶をしようとしている聖の腕を取り、小声で話す。 「ねぇ、柚野さんって全部予想してたのかな!?手際が良すぎるよ!」 「当たり前だ。それくらい予測できないと俺の秘書は務まらないだろ」 「そ、そうなの!?」 ……じゃぁあたしも奥さんが務まらない? ……いいや。 考えるのは止めよう。 あたしの奥さんとしての資質まで危うくなるんだもん。