「さ、寒いよ、聖!」 「すぐあっためてやる」 「そ、そうじゃなくて!」 乱れたドレスのまま聖の胸板を強く押して体を離す。 聖の目を見つめると熱く潤んでいた。 「明が、他の男が選んだドレスを着てるの……イヤなんだよ。 許せるほど、心広くねぇ……!」 聖は歪ませた顔をあたしの胸元へ沈めた。 柚野さんが見立ててくれたネックレスがシャラリと華奢な音を立てて揺れる。 聖……小さなことでヤキモチやいて、 ホント子供みたい。 ……でも、すごく愛おしい。