「でもダメだ。ドレス脱がすぞ」 「脱がすって……ちょっと!聖っ!」 聖は強引にあたしの腕を引っ張るとボーイに 「スィート借りる」 と、告げてエレベーターに乗り込んだ。 「聖!なんでこのドレスじゃダメなの!?好きなの選べって言ってくれたじゃない!」 「自分で選んでないだろ?」 「……っ!」 ……なんでわかるんだろう、聖は。 チンッと高音を鳴らして最上階についたエレベーターを降りると、 また聖はあたしの腕を強く引っ張った。