自分では絶対に選ばない色とデザイン。
しかも嫌いじゃない。
「確かに大人っぽい……着てみます!」
「はい、お似合いになると思いますよ」
微笑む柚野さんに見送られて試着室の扉を閉めた。
なんだ。
聖が自分でドレス選べっていうから柚野さんのセンス悪いのかと思ったら、
全くそんなことないじゃない。
それどころか、新たなあたしを引き出してくれる。
「うん……!いいかも!」
「……いいですね。濃い色が白い明様の肌をより白く見せてくれる」
鏡を覗いて柚野さんが見定めてくれる。
あたし、意外と大人っぽいのもイケるんだ。
結婚してちょっとは大人になったかな。

