その操作術を教えてもらおうかな、なんて考えながらドレスを見る。
柚野さんもいるし、ササッと選んで終わらそうと思っていたけど、
いつの間にか本気になって選んでいた。
「どれも可愛いから迷うな……うーん……こっち?でもあっちかな?」
「迷われているなら試着なさったらどうですか?」
「あっ!柚野さん!」
本気になっていたから柚野さんがいることをすっかり忘れていた。
気配を消して、あたしがドレス選びに夢中になっているのを見守っていてくれたのかも。
「試着すると答えが出るかもしれませんよ」
結構な時間、ドレスを選んでいたというのに嫌な顔一つせず、試着を促してくれる。
柚野さんの言葉に頷いてあたしは試着することにした。

